システム開発の費用って??
ユーザ企業のシステム担当者が一番困ることはシステム開発の費用の妥当性判断ではないでしょうか。
開発メーカからの見積もりが高すぎると感じたことはありませんか?
開発メーカからの見積もりをそのまま受け入れていませんか?
システムは無形資産なので費用の内訳が非常に分かりづらいという特徴があります。これは、実は開発を行うシステム会社でも同じような課題を抱えています。実際、作る方でも作ってみないといくらかかるか分からないということです。
といっても、何かしらの判断基準がないと見積もりを行えません。
システムの見積もり手法にはいろいろありますが、判断基準として一番わかりやすいのがシステムの開発規模(ステップ数=命令数≒行数)だと思います。
システム開発規模と生産性(○○STEP/人月)と人月単価(円/人月)が分かれば費用の算出が可能です。
見積もり費用=システム開発規模/生産性×人月単価となります。
生産性とは1人の開発員が1か月作業をすると何ステップのシステムを作れるかということです。
1人の作業員が1か月システム開発を行い1キロステップ(1000ステップ)のシステム開発を完了させることが出来るなら生産性は1キロステップ/人月です。
人月単価とは1人の作業員に1か月働いてもらう場合の費用です。
例えば、単価を100万円/人月、システム開発規模を10キロとすると、費用は
費用=10キロ(開発規模)/1キロ×100万円=1000万円
となります。
生産性と人月単価は固定値だとすると、システム開発費用を求めるには正しいシステム開発規模が分かればいいということになります。まあ、それが非常に難しいのですが・・
契約時にこのような見積もり算出の根拠を提示してもらい、開発完了時に見積もり時の根拠と比較することを契約前に受注者に宣言しておけば、とんでもない金額をぼったくられることは少なくなるのではないかと思います。
なお、少し古いデータですが、IPAが発行している「ソフトウェアデータ白書」というシステム開発に関する様々な指標値のデータ集があって非常に参考になります。この中に生産性に関するデータも記載されていますので、開発メーカから提示された生産性が低いのか、高いかの判断基準になると思います。